学校に着くと、けいちゃんと別れ自分の教室へと向かった。

けいちゃんはあたしの1つ上で先輩。そして、この学校の生徒会長でもある。

なにより、けいちゃんはかなりモテる………。

生徒会長として人望も厚くて、誰にでも優しいけいちゃんは男女関係なく人気者。

その上、あのルックスで頭も良くて運動神経も抜群。モテないわけがない…。

周りからは「太陽王子」なんて呼ばれてる始末。

自分ではそんな風に思っていない謙虚さが萌えポイントだか。

だから、あたしとけいちゃんは学校ではただの親戚と嘘をついている。

家はお隣で、家族ぐるみの昔からの付き合いで幼馴染みなんでことがバレたら…あたしは学校行くことが出来なくなる。

中学校の時バレて、いじめとまではいかなかったけど、一部の女達に嫌味を陰口のように言われ続けた。

まだ幼すぎた心は、ボロボロになって、すごく辛くて毎日泣いていた。

誰も頼れる友達なんて一人もいなくて、あたしにはけいちゃんしかいなかったんだ。

優しく慰めてくれて、大きな暖かい手で撫でてくれた。




だから、なるべくけいちゃんとは学校で関わらないようにしている。


けいちゃんを好きな想いよりも今は
人に嫌われるのが
一人になるのが

すごく怖いから…



それに、もう迷惑をかけたくないから――