pipipipi――


部屋中に目覚まし時計の音が響きわたった。


「ん…」


朝日がカーテンの隙間から差しこみ、眩しくてうっすらと少し開いた瞼をまた閉じる。


「美優、朝だよ」


突然、さっきまで煩く鳴り響いていた時計が止まり、同時に聞き慣れた声が耳に入ってきた。


「けい…ちゃん?」

「おはよ、髪ボサボサだよ」



眠い瞳を擦り、ゆっくり開けると目の前には幼馴染み、けいちゃんこと佐原圭哉(さはら けいや)がクスクスと笑いながらあたしを見ていた。



ドキッ


「お…はょぅ」


瞳を細めてふんわり笑うけいちゃんの癖…。あたしの一番大好きな表情。

そんな顔に思わずドキドキする。

けど、けいちゃんは頭良いのにそうゆう所ではちょっと鈍い。

わざとじゃないって分かってるんだけど、そんな笑顔反則だよ?

もっと好きになる…




けいちゃん、好きだよ








あたしの名前は、一ノ瀬 美優(いちのせみゆ)。高校2年生。

物心がついた頃からけいちゃんに片想い中ですっ!