「……だからぁっ!!!!

 大事な彼女とぉ!!!!

 これからっ……

 デートだっつーのぉーーーー!!!!」


「っ!!」


 突然、誰かの怒鳴り声が広場中に響き渡り、辺りが、シーーーーン……と静まりかえった。


 ……なっ……何?今のすごい怒鳴り声。

 大事な……彼女?デート?


 ナンパの二人組もその声に唖然とし、私を掴んでいた手が自然と離れた。

 広場中の人々が、声がした方を見たまま一時停止……。

 私も驚きつつも、そうっと見てみた。

 すると少し離れたところに、女性に囲まれた一人の男性が、はぁっはぁっと息を切らしている。

 ……あ、あれ!もしかして……


 ごっ……後藤先輩!?