「晴ちゃん…おさげとスカートは守るから、眼鏡だけは取っちゃダメ…?」 「…バカ。むしろ眼鏡が一番アウトだろ。つーかしつこい。ダメったらダメ」 「うぅ…」 晴ちゃんに強く言われたら、わたしは強く出れない。 「心が可愛いのなんて、俺だけ知ってればいいんだよ…」 「え?何か言った…?」 風の音で聞き取れなくて、そう聞き返す。 晴ちゃんは「なにもねーよ」と言って、自転車をこぎ続けた。 「ほら、着いたぞ」 「ありがとう!」 学校について自転車を置いて、教室に向かう。