心臓ははちきれそうなほど高鳴っていて、とにかくもう、理性が限界だと叫んでいた。



「心、離れ…「帰りたく、なぃ…」



ーーーほんきで、勘弁して…ッ。


一瞬、このまま押し倒してキスして、めちゃくちゃにしてしまいそうになった。


寸前のところでなけなしの理性が働いて、俺はゴクリと息を飲む。


かわいすぎて、頭がおかしくなりそうだ。


お前…意味わかってないだろ?


なにがキスしてだ、帰りたくない…だ。

そんなこと言われて、俺がどれだけ煽られてるか、わかってない。


このままでは心の身が危険だ。危険すぎる。



「ワガママ言わない。ほら、帰るぞ」



俺は心の手を握って、部屋を出た。


一度も振り返らず、部屋の廊下をどしどしと歩いていく。