外に出た一瞬で変な奴に絡まれたらどうすんのッ…?
付き合い始めてから、一層過保護が増した俺が考えすぎなのだろうか。
いや、この可愛さは危なすぎる。
つーか…こんなの、映画どころじゃないって…
「…じゃあ、見るか?」
「う、うん…!」
必死に平然を装って、再生ボタンを押す。
〜っ、待って、やばい、どうしよう…。
ただでさえ、いつもいろいろと我慢しているというのに…こんな姿で二人きりなんて、生殺しもいいところ。
映画の内容なんて全く頭に入ってこなくて、邪念を振り払おうと必死だった。
そんな俺の気も知らないで、突然心が手を握ってくる。
ーーードクンっ。
俺の身体の奥が、そんな音を立てた。
「晴ちゃん…」
…やばいやばい…やばいって…ッ。
手を重ね、上目遣いで俺を見つめてくる心。