「こーころ」



そろそろ起きないと、遅刻しちまう。

俺は優しい声で、可愛い彼女の名前を呼んだ。



「ん…」



心の口から漏れた甘い声が、俺を刺激する。



「朝だよ、起きて」



平常心を装って再び声をかければ、心の瞼が薄っすらと開かれた。



「遅刻するから、起きて。な?」


「んぅ…まだ…眠ぃ…」


「はいはい。わかったから、ほら」



ったく…ほんとうに心は朝が弱い。