「有馬くん、練習してるー?……って、あれ?」



いつものように体育館へ向かったが、そこにいるはずの有馬くんが、今日は見当たらなかった。



どうしたんだろう?


何か用事でもあったのかな?


いつもあたしより先に有馬くんが来てるのに、珍しい。



呑気にそんなことを思いながら、ひとりでバスケのシュート練習をして、有馬くんが来るのを待っていた。



だけど結局、昼休みが終了する間近に差し掛かっても、有馬くんは体育館に姿を現さなかった。



何か用があるなら、ひとこと言ってくれても良かったのに……。



なんとなく虚しい気持ちになりながら、あたしはひとり、体育館をあとにした。