あたしはそこでかたまったのだった。



……はっ、そういえば。



有馬くんと両思いになったことですっかり忘れてたけど……あたしは石原くんと遊ぶことに関してうやむやにしたままだった。



迷いに迷ったすえ、あたしは勇気を出して、初めて有馬くんに電話をかけた。



テスト終了日……有馬くんと両思いになって、お付き合いさせてもらうことになったときに教えてもらったケータイ番号。



知ってから1週間は経つのに、ずっとタイミングを逃して連絡できなかったなら、勇気がいった。




『もしもし』



少しのコール音のあとに、有馬くんの無機質な声が耳に届いた。



さっきまで学校で会っていたのに、夜に聞く声は、なんとなく物足りなくて、会いたいなーなんて思ってしまう。