「確かに物事にタイミングってあると思うけど、タイミングがあわなかったこと後悔しつづけてどうするの?タイミングが悪かったなら、次のタイミングは間違えないようにすればいいだけじゃない?」


「……」


「そう決めればいいんだよ。頑張って」と、怒ってるのに優しく笑った。泣きたくなった。


そうだ。鮫島先生にも彩子にも言われてた。教えてくれてた。市ノ瀬くんの元カノのあの子だって。


『だけどいちばん嫌だったのは、あの子だ。自分は何も言わないでただ見守るだけで、被害者みたいな顔でわたしを見ていたあの子だ』


わたしが思った。


『あたし、高塚の人任せなところ、嫌いだった』


彩子が言った。


『ほら他人は自分の鏡ってよく言うだろ?嫌いなところが映ったら、それは自分の嫌いなところってことだよ』


先生が言った。