「高塚さん」


トイレで手を洗っていると、知らない女子に呼びかけられた。


「今日園芸部の集まりあるけど出れる?」


「あ……うん。大丈夫」


「放課後、裏庭の花壇に来いって鮫島先生が言ってたから」


「わかった。ありがとう」








この前、先生にも声をかけられた。


さぼりすぎかな。でもわたしだけじゃないはず。


何か引っかかるものがあったのに、わたしは放課後、裏庭に向かった。


それはやっぱり間違いだったって、すぐ気付いたのは声をかけた女子以外にも数人いて、何も植えられていない花壇が彼女たちの後ろにあったから。


これからさぁ苗を植えましょうとは言い難い空気だってことは、わかった。