三人は他のメンバーの待つパーティールームに戻った。
九条の言っていたように、パーティールームは船にあったのと同じような広さで、右奥に両開きの扉がある…扉の奥がおそらく厨房だろう…。
部屋の皆の様子はいたって普通だ、皆それぞれコーヒーや、アイスティーなどを楽しみながら、談笑している。
九条と山村がなんとかこの場をおさめたようだ。
三人が戻った事に皆が気付くと、九条が皆の代表するように、三人に歩み寄って来た。
「待っていたよ…で、どうだった?」
九条がそう言うと、葵が答えた。
「人が生活するには…適しているでしょう…天然芝がありました、芝の状態から見て気温も適しているでしょう…」
九条は葵に聞いた。
「芝でそこまでわかるのかい?」
葵の代りに有紀が言った。
「葵の言う通りだろう、天然芝の育成適温は一般的に…25~35℃といわれている…、体感的におそらく30℃前後と…いったとこれだろう…」
歩が言った。
「他にも色々わかった事がある…この島のルールといったとこかな…」
九条が聞いた。
「ルール?」
歩が言った。
「これは皆にも聞いてもらいたい…そのうえで皆が共通認識を持ち…ここでの生活を楽しもう」
歩はこの島が、あくまでも『主催者が用意したリゾート地』を前提にして、これまでの経緯を説明した。
12の宿泊施設、医務室、プール、芝の広場…そしてパソコンの説明…
そして有紀が医務室の奥にあるオペ室兼実験室にある劇薬などの説明をした。
説明を聞いた皆は、予想通り驚いている。
愛美が言った。
「すごいパソコンじゃないっ!最初は遭難したかもって思ったけど…プールもあって、船長の料理も美味しいし、言うことないわっ?」
愛美が少し興奮気味だか、堂島夫婦は困った表情をしている。
サキが言った。
「困ったわ…私たち、パソコンなんて使った事が無いですから…ねぇ、あなた…」
困っている堂島夫婦に順平が言った。
「安心して下さいっす!俺、そっち系の専門学校行ってるっす!わかりやすく教えるっす!」
ここぞとばかりに張り切っている順平に、サキは笑顔で言った。
「まぁ、たのもしい…ねぇ、あなた」
サキに光一も同意して、順平に言った。
「うむ、よろしく頼む」
皆はそれぞれ納得したようだ…だが、それは九条と山村が上手く立ち回ってくれたおかげでもある。
とにかくしばらく様子をみるしか今は選択肢が無かったので、納得するしかないのも事実だが…うまく皆がまとまったので、よしと言える。
これから12人の島での生活が始まろうとしている。
安息や休息を楽しもうと…。
しかし、その安らぎの時はほんの少しだけだという事は…。
今は誰も知らない………。
