到着した場所は…葵が最初に確認したなかになにもない空間が、広がっていた建物だった…。
扉の前で葵が言った。
「デジカメはおそらくここにあるでしょう…」
歩が葵に確認した。
「本当にこの中は…空だったの?」
「僕が嘘をついてると?」
葵を不快にさせたと思った歩は誤解のないように言った。
「いや…そう言い訳じゃ無いけど…これはあまりにも…」
葵は歩が話を聞き終えることなく扉を開けた。
歩は驚いた表情で、有紀は表情を変えない…二人とは違い葵は予想通りの出来事に満足そうな表情だ。
その建物…小屋の中には、確かに先程パソコンで注文したデジカメが新品でそこには一つだけあった…ポツリと一つだけ…。
葵は小屋からデジカメを持ち出し、箱から中身を取り出して、辺りを何枚か撮影したりなどして、使えるか確認している。
「どうやら使えそうです…見て下さい」
そう言うと葵はデジカメの画面を二人に見せた。
有紀が言った。
「これは驚いた…」
葵の言うように画面には、島の時計台や…葵が適当に撮影した画像が何枚かある。
歩は驚きを隠せない表情で言った。
「何がなんだか…手品じゃないんだからさ…」
葵が歩をなだめる様に言った。
「今さら驚いても仕方ありません…一応後で他の部屋でも試してみましょう」
有紀が言った。
「そうだな、おそらく他の部屋も同じだろうが…」
葵が言った。
「とにかくこの島には驚かされっぱなしです…僕らの常識を遥かに越えています」
歩は投げやりげに言った。
「俺…熱が出そう…」
歩を気にする事なく、有紀は言った。
「ここにはもう用はないだろ?次に行こう…歩、熱があるのなら次に行く医務室で診てやる」
「もう好きにして…まったく大したもんだよ…二人共…」
歩がそう言うと三人は次の目的地に行くため、九時の方向へ戻った。
