マウスを操作しながら葵が言った。
「試してみましょう…」
歩が葵に聞いた。
「試すって?なにか買うのかい?」
「買うという表現は少し違うと思いますが…、カテゴリーを確認してる限りは…危険物は無さそうです…」
葵が歩に答えると、歩は心配そうに言った。
「そういう意味じゃ無くて…詐欺の可能性もあるよ」
葵は歩の心配を気にすることなく、操作を進めて言った。
「その心配は無さそうです…クレジットカードや口座番号の登録義務は無さそうです」
有紀が言った。
「とりあえず試してみないとわからないな…」
歩は仕方ないといった表情で言った。
「やれやれ…わかったよ、当たり障りの無い物にしよう」
「わかりました、では…このデジカメにしましょう」
そう言うと葵は、デジタルカメラの欄をクリックした。
するとページが次に移り、『転送』をクリックした。
画面には、横向きのゲージと『ダウンロード中』と、文字が出ている。
ゲージがたまると、『ダウンロード完了』と、文字が出て、画面が前の商品選択画面に戻った。
三人はしばし沈黙した。
すると歩が呟いた。
「どうなったんだ?」
有紀が言った。
「さぁ?変化はなさそうだが…」
すると葵が何かに気付いたように、ニヤリとした。
「成程…だんだんと、わかったきましたよ…この島のルールが…、ふふ…実に面白い…」
有紀が葵に聞いた。
「どういう事だ?葵…」
「では、デジカメのある場所へ行きましょう…。ついてきて下さい」
そう言うと葵は部屋を出て行ってしまった。
「ちょっと葵君!…もう一つのアプリは?…」
歩の呼び掛けは虚しく部屋に響く。
「やれやれ…あいつは何か閃くとじっとしてられないようだな」
「呆れてる場合か!早く追いかけるぞ!有紀…」
そう言うと歩は有紀を連れて葵を追った。
部屋を出てスタスタ歩く葵の向かった方向は、時計台の六時の方向だ。
