choice 01


葵はズボンのポケットから、船に乗る前に椿から預かった、キーホルダー付きの鍵を取り出した。

「ではまず、僕の部屋から調べましょうか…」

葵が鍵を指でつまみ上げ、プラプラさせながら言うと、歩が言った。
「この流れからいくと、それが部屋の鍵だよねぇ…」

三人は葵が持つ鍵の部屋…『09』番の部屋から調べることにした。

部屋の前に到着すると、葵はドアノブの真上にある鍵穴に鍵をさして、回してみた。

すんなりドアロックは解除された。

葵はドアノブに手をかけて、二人に言った。
「一応…警戒は怠らないで下さい」

歩と有紀は小さく頷き、それを確認した葵はドアノブに力を少しこめた。

「では、開けますよ…」

葵は警戒しながらドアをゆっくり開けた。

少しづつ開いていくドアの隙間から、だんだんと、部屋の全貌が確認できる。

「普通の部屋だね…」
歩は拍子抜けたように言った。

歩の言うように、部屋はいたってシンプルだった。

ホテルの一室のような部屋で、ベッドに小さな冷蔵庫、ノートパソコンがカウンターに1台…それと、ガラス製の丸いテーブルが、入口から確認できる。

ノートパソコンの画面は明るい…既に立ち上がっているようだ。

「一応ドアは開けておこう…」
歩がそう言いと、三人は警戒しながら部屋に入る。

ドアの側にある、おそらく照明のスイッチを葵が押すと、部屋に明かりが灯り、部屋は更に鮮明になる。

部屋の奥に扉が二つ…、それとおそらくクローゼットとベッドで丸いテーブルを挟む…。

奥の左の扉を歩が、右の扉を葵が開けて確認する。

「バスルームと…、洗面所ですね」
右の扉の葵が言った。

「こっちは、洋式トイレだ」
左の扉の歩が言うと、有紀が言った。
「冷蔵庫はミニバーだな…」

葵が言った。
「普通の部屋ですね…、とりあえず隅々まで調べますか…」

それから三人は部屋の隅々まで調べてみた。

ベッドやテーブルの下に、空のクローゼット、トイレにバスルーム…、一通り調べ終わったところで、葵が言った。

「何点か気になる点があります」