アナウンスの声に、ありさは手を振って教室を出て行った。

「あぅ……。ありさ……」

「ほらもう観念しろって。
行くぞ?」

瀬田が、手を差し出す。
仕方ないからそれに自分の手を乗せる。

「頑張れよ、見てるからな~」

「舞台でキスか、いいなぁ、リア充」

手を引かれるあたしを、クラスメイトが見送った。
恥ずかしくて合図は出来なかった。