「あ!じゃあさ、バレーでわたしたちのクラスが優勝したら名前で呼ぶっていうのはどう?」
突然パンッと手を叩いたかと思えば、また桃花がびっくりするような発言する。
「優勝おめでとうのご褒美ってことで」
パチンと可愛くウィンクをしているが、碧人くんが納得するとは思えない。
むしろもっと嫌がられそう
でも、もしも「いいよ」って言ってくれたら……?
わたしにとって碧人くんが特別なように、わたしも碧人くんの特別になりたいんだ。
「………勝手にしろ」
ふいっと恥ずかしそうに目線を逸らされたが、それは承諾してくれたんだと受け止めていいのだろうか。
素っ気ない碧人くんなりの返事なのかな?
「やった!絶対優勝しなきゃ!」
碧人くんの優しさがあまりにも嬉しくて、思わず顔がまた緩んでしまった。
「ったく……そんな顔で笑うなよ………」
「え、何か言った?」
「別に」
何か言っていたような気がしたけれど、わたしの耳までは届かなかった。



