さよならリミットブルー


ホームルームが終わってすぐに、日野くんの周りには人集りができていた。


「日野くんどこから来たのー?」

「LINE教えて!」

「今日一緒にお昼食べようよ!」


わっ、すご……。

ここからじゃ、日野くんが全然見えないや。

わたしだって話したいことがたくさんある。それでも、輪の中に入って行く勇気は出なかった。


「もーっ、みんなミーハーすぎじゃない!?あんなに一気に囲まれたら日野くん困るでしょ!」

「桃花だって行きたいくせに」

「うっ。まぁ、そうだけど……」


さすがの桃花も出遅れたらなかなか近寄れないらしい。

自分の席から文句を言い、眺めているだけだった。

やっぱり日野くんが人気なのは顔がいいから?

確かにかっこいいけど、日野くんは整った顔よりもずっといいところが………。


「目障りだから、どっか行ってくれないか?」