……って、勢い任せに答えちゃったけど、突っ走るなって怒られるかな……?


ちらりと碧人くんに視線を向けると、特に変わったこともなくいつも通りの無表情だった。


北上さんが「同級生」って言ったときも特に反応してなかったし案外想定内の展開なのかもしれない。

それなら安心だけど……。

どうなんだろう。


ふつふつと疑問を頭に浮かべつつ何も言わない碧人くんと共に、白猫を抱えた北上さんの後ろを並んで歩く。


会話がないと時間の経過も長く感じるものだが、北上さんの自宅が近いおかげで、変に気まずくなることはなかった。

北上さんと碧人くんは仲良かったのかなとか、高校も一緒だったのかなとか。

そんなことを考えているうちに、あっという間に北上さんの家の前に到着していた。


「さっ、上がってください。今ちょうど親は出掛けているので自由にして構いませんよ」


「お邪魔しまぁす………」


わぁ……なんか良い匂いする……。

これぞ女の子の家と言わんばかりの綺麗に片付いた玄関。

わたしも見習わないとな。