白いもの


「しるこ……好きなんですか? ……プッ」


「い、いや、そ、それほどでも……プッ」


「あっ走って疲れたから甘いものでもとろうかと? ……ププッ」


「あっそうですね! そうそう! そんな感じです! ……ププッ」


「ちゃんと、トントントンって最後の一粒まで食べなきゃダメですよ? ……プププッ」


「え、ええ、も、もちろんですよ! し、しるこ好きですからね! ……プププッ」


「そっかーしるこ好きなんだー。へえ〜」


なおもニヤニヤしながら続ける彼女。


だけど僕の次のひと言で彼女の表情は一変した。


「浴衣……すんごいことになってますよ?」


「……?……!!!」


浴衣を慌てて直す彼女は、再び耳まで真っ赤になった。


そしてちょっと涙ぐみながらこう言った。


「いじわる……」