好きっていうまでは


「おい。なにやってんだ、お前ら」

この声って…神木くん?

「る、るいくん?」

「さっさとどけ。彩華から離れろ」


そんな声、聞いたことない。

すごい低い声…怒ってる?


「お前ら、すごいな。よくこんなことできるな。

もし死んだらとか、もっと酷いことになっても、

何とも思わねんだろ?

そんなやつ、好きになるやつなんていねーよ!」

「ご、ごめんなさいっ。ゆ、許して

ほんとにもうしないわっ。」

「じゃあ、こっからさっさと消え失せろ!」


屋上のドアがドンッと大きな音で閉まる。