緋色の部屋の前、緑君が座ってた。

「…どもー何時間?」

 挨拶する間もなく緑君はこちらを見るでもなくそれだけを言った。

「1時間でいいさ」

「うい。ここにいる」

「ああ」

 短い二人のやり取りを聞いて緋色の部屋に入る。
 結局私が部屋に入っても尚、緑君は一度も私を見る事はなかった。