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ずっとずっと昔の話だ…

ある村にとても美しい妖がいた。
その妖の名前は令狐といい誰にでも優しい明るい娘だった。

あの日は雪が降っていた、私は食べ物を求め山を下っていたところだった。
冬は食べるものが少なくそして何より寒い…弱りきっていた私を見つけ助けてくれたのが令狐だったのだ。

令狐は私を温かい部屋にに招き入れ、温かい食べ物もたくさん食べさせてくれた。

「誰にも頼らず、己の力だけで生きていく」
それが妖魔界で生きていくための暗黙のルール。そしてみんなそのルールに従い生きてきたのだ。
しかし、令狐は違った。
元気になった私が山へ帰ろうとした時も、
「山は危険だからこの村で一緒に住もう!」
と言ってくれた。
今考えてみれば、あんな優しい心を持った妖は令狐たった一人なのかもしれない…

確かに山は危険だ。人間の手によって両親を殺された私だからこそ山の恐ろしさは誰よりも知っている。
そう考え、私は令狐のいる村にこすことにした。人間の姿に怯え夜もまともに眠ることができなかった頃と比べるとそこはかなり居心地がよかった。

しかし…
ある日の夜、突然人間たちがこの村を攻めてきた。仲間が次々と殺されていく姿を見ながら立ち尽くしていた私を令狐は必死に守ってくれた。令狐は強かった…力も心も…

あの日で全てが変わってしまった。村のほとんどの妖が命を奪われ、私は今まで以上に人間の憎むようになった。
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