「…式では無理でも終わってからなら何とかなるかもしれません。こちらで考えてみますよ」

「頼んだよ生徒会長!」


悠生の言葉に安心したように笑い、嬉しそうな顔をする先輩達を見てこっちも嬉しくなった。





ガラガラ…


「生徒会!!卒業式の後にパーティーやりたいんだけどダメー?」


一件解決したかに見えたが、また次の先輩が生徒会室にやって来て相談を持ちかけてきた。今日はすごく忙しい…きっと冬休み中にそれぞれ思いついた案があるのか、先輩達は異様に張り切っている。

私達はその後も話し合いに没頭した。







「ふぅ…」


2時間後。先輩達との話し合いが終わり、休憩することにした私達はそれぞれくつろぎ始める。





「じゃあ買い出し行ってくるね~」

「うん!よろしくー」


海音と本間くんが買い出しに向かい、仲良さそうにキャッキャと話す声が聞こえてきた。



最近…あの2人ってすごくいい感じだと思うのは私だけかな?もしかして付き合ってるとか…?

そこまでいかないにしても、どちらかが思いを寄せてるのは絶対だと思う…




「ちょっと電話してくるー」

「はいよー」


田村くんも何やらそわそわしながら部屋を出て行った。噂だと他校の女子といい感じらしい…

皆それぞれ恋愛してるんだ。みんなが幸せになってくれたらいいな…




ギシ…


生徒会室の窓側にあるソファーに腰掛けながらそんなことを思っていると、悠生がソファーの端の肘掛けの部分に座る。覗き込んで見ると悠生は本を読んでいた。


気がついたけど…今って私の悠生の2人きりじゃん…

この短い時間を大切にしないと今度いつ2人だけの時が訪れるかわかんないもんね!


学校ではそんなチャンスないし帰りもローズさんが一緒だから…それこそキスなんて冬休みに1度したきり……

ここはいいムードを作ってせめてちょっと触れるくらいは…


私は肘掛けの方に一歩近づいて座り直すと、悠生の背中にピトッと寄りかかってくっついた。