生徒会長が私を好きな理由

さっきの絵の具も…これもって一体どういう事!?




「早めに日野が白学に来た事を察知したお前は、友達にでも指示して嫌がらせをさせたってところか?」

「っ…」


一柳くんの質問に、唇を噛み締める表情を見せる九条さん。




「今だってここにいる女全員引き連れて、隙をついて噴水に落とすって作成だろ?」

「…」


一柳くんの言葉に周りにいる女子達が全員で顔を見合わせて、気まずい顔をして下を向いた。

そんな顔をするって事は…一柳くんの言ってる事は本当なの?もしそうだとしたら本気で怖い…





「だって…だってっ…」


ふるふると体を震わせる九条さんの目からは涙が溢れていて、拳を握りしめると泣きながら叫び始める。




「何であんな庶民の学校なんかにいつまでもいるのよっ!それにそんな普通の一般人とつるんでるなんてっ…悠生には釣り合わない!」


九条さんの発言にイラッとした私は、もうこれ以上我慢出来なくて声を荒げた。





「ちょっと!黙って聞いてればっ…」

「ほっとけって。相手にすんな」


興奮する私を止めるように、一柳くんは頭をガシッと固定するように押さえると片方の手で口を塞いだ。





「俺がどうしようがお前には関係ないだろう。それに庶民の学校だろうが…今はつくば高校が俺の学校だ」


その時…やっと一柳くんの本音が聞けた気がした。ずっと知りたくてモヤモヤしてた事だ…




「じゃあどうして…どうして今日ここに来たのよ!?ここが嫌いなんでしょ?」

「ああ。もう来たくもなかったけどお前にこれを渡す為に来たんだ。あと一言忠告しておこうと思ってな…さっき部室で渡そうと思ったけど…あまりにもあそこに居たくなかったから諦めた」


一柳くんはそう言うとカバンから一通の封筒を出した。

今日ここに来た理由は…クラブに顔を出す為じゃなかったの?





「お前。つくば高校に多額の金を寄付して俺を白学に取り戻そうとしてたらしいな?」


え…嘘……九条さんてそんな事までしてたの?





「そうよ…あんな学校ならお金を積めばどんな事でもしてくれるでしょ」

「それは知らないが…お前のしてる事は全部俺に筒抜けだ。そんな事したって俺はここには戻らないし何されても戻る気はない」


キッパリと言い張る一柳くんに九条さんはショックを受けているようだったが、私はとても嬉しかった。





「この封筒に入ってるのはお前が寄付した金を払い戻す証明書と、今後俺やつくば高校…及び生徒会メンバー…俺の関わる人間全てに接触する事を禁じる同意書にサインして欲しい」


冷たい口調で言う一柳くんは、九条さんに近づいて封筒を差し出した。なかなか受け取ろうとしない九条さんに一柳くんはイライラしている様子。

私はずっと九条さんの事で悩んでた事が全て吹っ飛んで、安心して肩の力が抜けた…




「受け取らないなら郵送する。一応言っておくけど拒否したり約束を破った場合は、俺もそれなりに動くからな」


バシッ



九条さんは一柳くんの手から封筒を奪い取ると、そのまま泣きながら走ってその場から去って行った。