生徒会長が私を好きな理由

まるで手をつないでいるみたいだから、一柳くんのファンにこんな所見られたくなかった…

でも噴水なんかに落とされたんだからこれくらいは許してくれてもいいよね?




バシャ…


噴水から出ると制服が肌にピタリとくっついて気持ち悪い。それに、今着ている白学のセーラー服が濡れたせいで透けて下着がうっすらと見えている。


最悪…!そういえばさっき絵の具の水をかけられた時、中に着てたキャミソールも汚れたから脱いだんだっけ?

今日は結構暑いし白学の制服の生地は厚めだから大丈夫だと思ったけど、濡れたらさすがに透けたよ…どうしよう…




「…っ!」


制服の生地を持ち上げてなんとか誤魔化せないかと苦戦していたら、肩に何かが乗り目を向けると後ろには上半身裸の一柳くんがいた。




「あ、あのっ…」

「濡れてるけど我慢しろ」


一柳くんは自分の着ていたYシャツを脱いで、私の肩にかけてくれたみたいだ。濡れてるシャツが肌につくけどなんだか心地いい…




「ありがとう…」


私がお礼を言うと、裸の一柳くんはしゃがみ込んで地面に置いてある自分のカバンを開けた。

お互いカバンまで噴水に落ちなくて良かった…持ち物まで濡れてたらもっと最悪だったよ。





「一柳くんの裸見ちゃった~」

「写真撮りたい♪」


上半身裸の一柳くんを前にしてギャラリーはより騒がしくなる。どちらかというと細く見える一柳くんだが、体には程よく筋肉がついててすごく男らしいくてかっこいい。確かに私も写真撮りたいくらいの気持ちだよ…





「うるさい」


びくっ


キャーキャー騒ぐ女子達を睨みつける一柳くんがすごく低いトーンでそう言うと、辺りはしーんと静まり返る。

私もそんな一柳くんにビビりまくっていると、私にハンカチを差し出して来てまたビクっとなる。





「大丈夫だよっ」

「いいから拭け」

「う゛…」


遠慮する私に、一柳くんはハンカチでやや強引に私の顔をゴシゴシと拭いた。






「九条。逃げるなよ」


すると、私の顔を拭きながらボソッと言う一柳くん。キョロキョロと辺りを見渡すとさっきまで近くにいたと思った九条さんが、その場から離れようとしていた。




「…逃げてなんかっ」

「さっきの絵の具もこれも全部お前の仕業なんだろう?」


鋭い目つきで九条さんを見つめる一柳くんは、不思議なくらい落ちついていて私にハンカチを渡すと話を続けた。