生徒会長が私を好きな理由

「そんな事なら郵送でいいだろ」

「そんな事言わないで~それにそれだけじゃなくてたまにはちょっと顔出してって言ったじゃない!」


くねくねと体を動かして一柳くんの腕にしがみつく九条さんは、まるで彼氏に甘えるような声を出して言った。

こんな所見ていたくないと思った私は思わず目をそらすと、すぐ近くにさっきの男子生徒2人がニヤニヤしながら私に手招きしながら話しかけて来る。




「ちょっとこっち!」

「来て来て!」


明らかに私をバカにしてる目。行きたくなんかなかったし一柳くんから離れるなって約束したし…




「来てってば!」

「ちょっ…」


男子の1人に腕を引っ張られ無理矢理一柳くんから引き離されると、私を見てもう1人が嬉しそうに口を開いた。




「いくら?」


男子の言葉に「は?」と思わず言いそうなったが、ぐっと我慢して口に力を入れる。





「だからいくらでヤらしてくれんの?」

「一柳とそういう関係なんだろ?金ならやるから俺らも混ぜてよ♪」


何を言ってるのかよくわからない。でもこの人達は最低だということはわかった。

この学校に純粋な人はいないと一柳くんは言っていたけど…あれは本当だったんだ。真剣に誰かと交際したり片思いしてる人はいないの…?





「おい…」


すると後ろからいつもに増して低い声を出して、まだ振り返ってもないのに怖いオーラを放っている一柳くんの声が…

恐る恐る振り返ると無表情にも関わらず鬼のような顔に見える一柳くんは、めちゃくちゃ怖い顔をして私を睨みつけていた。





「私喋ってないよ!一言も話してないっ」

「そういう事言ってんじゃねえよ」

「ひぃっ…」


一柳くんの顔はより怖くなり、私はブルブル震えながらとりあえず「ごめんなさい!」と必死で謝る。





「んな怒るなよ一柳~ごめんごめん」

「ちょっとお前の“おもちゃ”をからかっただけだろ」

「…おもちゃなんかじゃねえよ」


ヘラヘラと笑う男子2人に一柳くんは真剣な顔つきでボソッとそう言うと、部室の中はしーんと静まり返る。

いつもより乱暴な言葉使いをする一柳くん…こんなところ初めて見た…






「お前らと俺達を一緒にするな。…行くぞ」

「ぁ…うん」


そう一言言い残すとさっさと部屋を出て行こうとする一柳くんの後を追い、私達は部室を後にした。






“お前ら俺達を一緒にするな”