生徒会長が私を好きな理由

突然背中が冷たくなり、振り返ると後ろにはケラケラと笑って逃げる女子達の後ろ姿が見える。

背中を見てみると制服は赤みがかった茶色に染まっていて、床には雫がポタポタと垂れている。またやられたようだ…











サーーーーーー…

サーーー…



白学の更衣室にはシャワールームがあると聞いて、制服を汚されてしまった私は体を洗っていた。一柳くんによるとあれは美術部の生徒らしく、私は絵の具を混ぜた水をかけられたらしい…





「ふぅ…」


キュ…

シャワーを止めてタオルで体を拭くと、脱衣場で下着をつけ一柳くんから預かった包を開けてみる…




「これって…」


包から出てきたのは白百合清蘭学園の制服だった。きっと着ていた制服を汚されてしまったから用意してくれたんだ。

私はその着なれない制服をとりあえず着て、廊下で待ってくれている一柳くんの元へ急いだ。





「お待たせ」


廊下に出ると一柳くんは壁にもたれかかっていて、私に気づくとこっちに近づき私の着ている白学の制服を見る。




「どお?似合う?」


得意げになりながら制服を見せる私。

制服をあんなふうに汚されたのはショックだけど、ここの制服を着れたのはちょっと嬉しいかも!つくば高校は普通の紺のブレザーにチェックのスカートだけど、ここのは白のセーラー服だもんね♪




「似合わないな」

「あーそうですか」


言うと思ってたよ。思ってたのに「どお?」と聞いてしまう私って一体…




「つくば高校の制服の方がお前らしいからあっちの方が似合ってる」


こっちはおふざけモードになっていたのに、一柳くんは真面目な顔をしている。私は普通に恥ずかしくなり顔を赤くした。

他校の制服を着られるなんてことは滅多にないから嬉しかったのに、好きな人にそんなこと言われたらいつも着慣れているつくば高校の制服が恋しい…





「本当に済まない…また守ってやれなかった」


申し訳なさそうに私に近づく一柳くんは、預かってくれていた私のカバンをそっと差し出した。

カバンを受け取りながらその言葉に胸をキュンキュンさせていた私は、絵の具の水をかけられた事なんてもうどうでも良くなっていた。





「全然気にしてないから!白学の制服着られてラッキー♪」


恥ずかしい気持ちを隠すようにわざと明るく振る舞うと、一柳くんの手がこっちに伸びてきて私の頭をポンと撫でる。




「…変な奴」


どこか優しい顔をする一柳くんに、私の胸の鼓動はますますヒートアップ。こんな事なら水をかけられて逆に良かったんじゃないのか…なんて思っちゃうよ!