生徒会長が私を好きな理由

目の前の学校に見とれている私を追い越す一柳くんは、正門横にいる警備員に声をかけると門が開き先に中に入った。後追いかけて私も中に入ると体格のいい女性の警備員が現る。




「ご見学のお連れ様ですね?」

「はい。1名」


野太い声で聞くその警備員に、一柳くんは媚びることなく冷静に答えた。ビビりまくっている私を無視するように、警備員は私に近づくと張り切ったように話しかけて来る。




「セキュリティーの為持ち物とボディチェックさせてもらいますのであちらにご同行願います!」

「は、はい」


この人怖いよ…それに顔近いし。名門の学校にはこんな怖い警備員までいるのか…

そんな事を考えながら正門近くにある個室に連れていかれた私は、初めにバックの中身を見せて中の確認をした後次はボディチェック。




「ぐぇっ……ぐっ」

「はいはい、ごめんなさいね」


警備員の女性に体をあちこち触られるのだが、とても力が強くまるでちょっとしたプロレス技でもかけられている状態。



カシャ

カシャカシャ


近くでシャッター音がして振り返ると、後ろで一柳くんがボディチェックをされている私をスマホで写真を撮っていた。




「撮らないで……ぐぇっ」


また技をかけられ思わず声を出してしまうと、一柳くんはぷっと笑っていた。

恥ずかしいというよりも早く終わって欲しい気持ちが勝つ…こんな姿好きな人の前で見られるなんて私の恋ってロマンティック0だな。






「うぅ、体が痛い」


ボディチェックを何とかクリアした私は、一柳くんと正門から歩いて学校へ向かう。門からは坂になっていて両側には草木が並んでいる。体をさすって痛がる私を見て一柳くんはまた笑った。




「なかなか面白いボディチェックだった」

「私は全然面白くなかったけど…」


あれを突破しないと白学には入れないのか…庶民がセレブ校に足を踏み入れるのは簡単なことじゃないってわけね。





「おお!」


坂を登りきるとガラス張りの入り口が見えて来て、中に入るとクリーム色のロッカーが並んでいた。一柳くんは先に靴を履き替えると小走りでどこからかスリッパを持って来てくれる。




「ありがとう」


たかがスリッパだが一柳くんが持って来てくれたものだから、とても特別な事のように感じる。



「一応言っておくがあんまり騒ぐなよ」

「わかってるって!」


スリッパを履いた私はウキウキしながら返事をして、辺りをキョロキョロと見渡す。

廊下の時点でつくば高校とは大違い。綺麗に掃除されているのか床も壁もピカピカ。





「あ、一柳くんよ!」

「うっそー♪♪」


キャッキャとはしゃぐ声が聞こえて振り返って見ると、ここの生徒らしき女子数名がこっちに近づいて来て一柳くんに群がった。