酸素を求めて、身体中が脈打っている。
息苦しくて、沼田はタカヤの腕に爪を立てた。
目の前が、にじむ。

それでも。


このままこいつに殺されるのも、自業自得かもしんねぇな。


ふと、そんな気分になった。
このまま死んでも構わない。
どうせ、自分が死んだところで悲しむやつはいない。
やりたいこともあったが、こうなってみると、別にどうでもいい。


殺したきゃ、殺せ。


諦めて、目を閉じかけて、沼田は思い出した。


売り物の、金魚に入ったクスリは、いつもの引き出しに入っている。
そこにあることを、タカヤも知っている。

沼田がこのまま死んだら、タカヤはきっとあのクスリに手を出すだろう。
今まで餓えていた分、見境なく飲みほしてしまう。

耐性を失いかけた身体に、多量のコカインが入れば、致死量になる。


沼田は、テーブルに震える手を伸ばした。
携帯電話を、つかむ。


あんな奴しか頼れないのは、ムカつくが、仕方がない。
タカヤをコカインから救ってくれる、唯一の人物だ。