「おめえに使わせるために手に入れてんじゃねぇんだよ」 見つけるたびに、沼田は、タカヤを蹴飛ばした。 泣きながら、ゴメンナサイ、とたどたどしく繰り返すタカヤは、だが沼田が殴る手を止めると、許してもらえたとばかり、笑顔で近づいてくる。 「だって、ユメがみれるキンギョなんだよ」 いったい、どんな夢が見たいのか。 確かに、このままでは、早晩タカヤは壊れていくだろう。 使い捨てのチンピラなら、むしろ都合がいいくらいだ。 だが。