私も、バスの中でドキドキしてきた。



雪菜さんがドキドキしすぎて


こっちまで緊張が伝わってきた。



そして、いつもより

学校から事務所までの時間が長く感じた。




事務所に着くとさっそく



応接間?



ってところに呼ばれた。









この光景、前にもあったような…


目の前には、社長。


でも、雪菜さんは、社長の隣じゃなくて


私の隣にいる。




社長が真剣な顔で話を切り出した。



「僕、正直に言うとまだ、晴ちゃんの


演技をしてるところやレッスンの様子を


見たことがないから分からないんだけど


レッスンしてくれてる先生が


晴ちゃんのこと凄いっていうから


賭けてみようと思うんだ。


僕も、正直に言うと晴ちゃんは、何か


ある気がするんだ…」



私は、全く社長の言ってる意味が

わからなかったから聞いてみた。



「何が私にはあるんですか?」



「え?何かは、わからないけど感じるんだ!

僕のカンが!!」



「、そうなんですか…」



「それでなんだけど


ちょっと、いや、だいぶ早い気がするんだけど


オーディションを受けてみない?」




「オーディションですか?」



「うん、


今度の月9のドラマなんだけど恋愛モノらしくて


今回は、ヒロインの子をオーディションで


決めるみたいで」



「それを、晴ちゃんがですか?」



雪菜さんは、驚いた表情で社長に聞いた。



「あぁ」



「受けるだけだからあくまで


試しなんだけどね。


晴ちゃんどう?」



「私、受けてみたいです!


正直、今自分がどのくらいこの世界で


通用するのか分からないので


受けるだけですよね?


そしたらやったほうが得ですよね?」



「うん、そうかもしれないね。」