《完》闇を抱えた天才少女





そのときだった。



「ちょっといいですか?」



いかにもスーツを着たちゃんとしてる人。



あきらかに話かけられない限り私に無縁の人


だった。



よく、言うよね。



知らない人に声をかけられても


ついて行ってはいけません。



だけどこのときの私はその言葉は


単なる言葉に過ぎなくて


その言葉を守るなんて頭にはなかった。