1ヶ月後








「晴ちゃん、日本にはどんなものがあるの?」



とアメリカでは超有名な

今回の私が出た映画の主演俳優さんは聞いた。




「えっと、ご飯とか美味しいですよ。

定番はお寿司とかですかね?」



と言った。




この俳優さんは尊敬しているけど

どうしても許せないことがあるんだ。




それは、



「じゃあ、晴ちゃん連れてってよ」


と言いながら私の方を持ち自分に引き寄せた。






そう、セクハラ?ぽいことをされるんだ。



名前は、トーマス。


私よりも10歳も上の俳優さん。




「私、あまりお店知らないので

ごめんなさい」



と断った。



本当は一緒になんて行きたくない。




そんな話をしていると空港のロビーに着いた。



着くやいなや



沢山の報道陣の人、ファンの人が

待ち構えていた。





私が行くとき、見送ってくれた人はたった3人だった。



隣に有名な俳優さんがいるにしても



こんなに集まっていることは嬉しい。



何社ものテレビカメラなどに捕まった。




「晴さん、アカデミー賞おめでとうございます。」



と記者の人が言ってくれた。





「ありがとうございます!」


と言うと



「トーマスさんは、晴さんの演技はどうでしたか?」




とトーマスに聞いた。



「うーん、晴はすばらしかった」



と適当に言いながら、


私の骨盤あたりをもって又、引き寄せた。





テレビカメラがある前でもするんだ…



さすがに取られたくないから


私はトーマスからすーっと逃げて次のテレビカメラの取材を受けた。




でも、また来るし





結局、何を聞かれたとか、

どんなテレビの番組があったとか


全く覚えていなかった。





とりあえず、トーマスから逃げてた


ということだけが頭に残った。