「それでは、いよいよ主演女優賞の大賞を発表したいと思います!」



という司会者の声。



※本当は英語で話しています





おーーー!




と会場からは歓声の声。



私は心の中でバクバクしていた。



大賞は、狙えない位置ではないらしい。




大賞の予想とかでちょこちょこ私の名前を目にしていた。







取りたい!





ずっと願っていた。




認められたいって。





やっぱり認められるのに1番早いのは

有名な賞を取ることだと思う。




それが今は、絶好のチャンスだった。







「大賞は…



山本晴さんです!」




という司会者の声。




私は思わず



「アンビリーバボー」



という言葉が出た。




取りたい!


取れるかも?



とか思ってたけど心の中では


取れないだろうと諦めていた。






そして、私はスピーチをした





「私は5年前にアメリカに来ました。
まさか、5年でアカデミー賞という名誉ある賞の大賞を取れるなんて思っていませんでした。

この話を聞くと、こんな短い期間で大賞まで取るって凄いね!

とか、そういう人は恵まれていて
ずっと幸せに生きて来たんだと

勘違いされます。




私は女優になる前は高校でイジメられていました。

そして、女優になる!という決心をし、
学校も辞め、親も捨て
1人で女優という仕事に立ち向かいました。


正直、辛くても辞めれなかったです。

理由は無職になるからです。

でも、そのくらいの覚悟は必要だと思います。

今、私のスピーチを聞いている方々に一言、言いたいことがあります。


私くらいの覚悟は行き過ぎかもしれませんが
何事も覚悟を持って始めてください。

簡単に始めたことはやめないでください。

どんなに辛くても現実と向き合ってください。


そしたらいつかは私みたいに報われます。
それを信じて頑張ってください」




これが言いたかった。



私は初めは生きていくために
女優という仕事をしていた。




でも、いつしかファンができて

応援してくれる人がいることを知って



私を見ている人に勇気とか

とにかく何かプラスになるものを与えられるような女優さんになりたい


と思うようになった。