距離感

あの時、僕と彼女の間には自転車があった。


距離にして30cmもなかったと思う。


それは僕が越えられなかった距離であり、踏み出せば手に入った幸せだったのかも知れない。


そして、トートバッグの底にある、使われない傘の存在理由に気付けていれば、僕と彼女の何かは変わっていたかもしれない。


もう、昔の話だ。