優也さんはもう分けなさそうな表情を浮かべている。


「わかってます」


そう言うと、優也さんが突然あたしの体を抱き寄せた。


ただでさえ狭い空間なのに、あたしの体は優也さんにピッタリと密着している状態だ。


一瞬頭の中は真っ白になる。


翔吾以外の男の人に抱きしめられるなんて、考えたこともなかった。


「俺、ほとんど全部朱里ちゃんに任せきりで情けなくて……」


「情けないなんて……!」


外へ出るまでにどれほど頑張ってくれていたか。


それを伝えたかったけれど、痛みが胸につかえて言葉にならなかった。


優也さんはあたしのせいで自分を責めている。


そう思うとやり場のない痛みが全身を駆け巡ったんだ。


「ありがとう朱里ちゃん。朱里ちゃんのおかげで奴隷候補の5人はすぐに見つかりそうだね」


そう言い、優也さんはあたしから身を離した。


だけど、その笑顔はどこか痛々しくあたしは笑う事ができなかった。


代わりに、あたしは優也さんの手を強く握りしめた。


「優也さん、あたし、優也さんの事が好きです!」