ライブのチケットだと言って渡すとすれば、それはすべて統一させた方がいい。


自然と公恵の周りにいた子たちの顔が蘇って来た。


中心的存在の公恵がチケットに食いつけば彼女たちもきっとこのチケットに食いつくだろう。


そうなれば5人なんてあっという間だ。


あたしは内心クスッと笑う。


でも、焦りは禁物だ。


公恵がライブのチケットに興味ないと言えば、他の子たちもチケットには食いつかない。


いくらいいアイデアだと思っても、どこに落とし穴があるかはわからない。


だからあたしはチケットを一枚しか貰わなかったのだった。