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それから放課後まで、あたしは公恵の行動を見ていた。


体育の授業では仮病を使ってサボり、昼休みには大人しいクラスメートの男子にジュースを買わせていた。


このくらいの光景ならどの学校でもあるかもしれないが、時折荒い言葉で相手をののしる姿は見ていても気分が悪くなる。


公恵のそういう姿を見ればみるほど、あたしは嬉しくなった。


公恵はこんな子なんだ。


こんなに悪い子なんだ。


だから奴隷に相応しい。


レッテルだって、いつ下位まで落ちてもおかしくないんじゃないか?


そうなれば、公恵は《奴隷部屋》に行く事になる。


その前にあたしと優也さんの代わりに奴隷になってもらったって、問題ないはずだ。


そんな気持ちになってくる。


そして、待ちに待った放課後が来た。


チャイムが鳴り、みんな一斉に教室を出て行く。