あたしは女性にニコッと微笑みかけた。


「これがそのチケットです」


そう言い、封筒から本物のチケットを取り出して女性に渡した。


「優也君はどこにいるの?」


周囲を見回して優也さんの姿を探す女性に、あたしは「中で待ってますよ」と、答えた。


女性は何も疑うことなく、《mother》の中へと吸い込まれている。


残りの4人もあたしからチケットを受け取ると、彼女の後を追いかけるように《mother》へと入って行ったのだった……。