《・チケットは必ず奴隷候補に手渡しすること。
・チケットをより多くの奴隷候補に渡した者が勝ちとする》


あたしは下に書かれている注意事項を何度も読み直した。


これもうすうす気が付いていたことだったけれど、はやりそうだったのだ。


このゲームでも勝つのは1人だけ。


2人一緒になんて、最初からあり得なかった。


チケットをにせ物にしたのは、あたしが勝ってしまわないための細工だったのだ。


あたしは優也さんのスマホを操作し、5人の女性にメッセージを送った。


《そこに立っているハイネックの女の子からチケットを貰い、中へ入ってくれ》



優也さんのスマホをカバンに隠して待っていると、《mother》の前で待っていた女性たちがあたしに気が付いて近づいてきた。


「こんにちは。あたしたち優也君に誘われて来たんだけど」


茶髪でいかにも遊んでいそうな女性がそう声をかけてくる。