向日葵の風

~翌日~

「‥おっきい。」
「凄い‥。」

病院をみた途端に、希海と私は思わず呟いた。

「そんなに大きい?」

さなは普通の反応。そりゃそうかもしれない。今、さなのお母さんは妊娠していて入院している。ちなみに男の子だそうだ。

「じゃ、しらみつぶしに探しますか!」
「病院別になっていないの?重傷者とか‥」
「なってるよ?それがどうかした?」

じゃあ"しらみつぶし"では無いでしょう。そう思いながら『重傷入院病棟』に行った。

「‥広い」
「‥そして静か」

思ったよりも広く、静かで、そして暗かった。

「なんか、ちょっとイメージ違うかも。」
「妊娠病棟はこんなじゃないからね」

助かる見込みがないから‥?とか変なことを考えながら歩いていくと、一つの病室に不意に明かりがついた。

「ひぇぇぇぇえ!」
「‥お、お化け?」
「‥人、いるよ」

恐ろしいくらいに冷静な希海。まあ、ここで驚いた希海もみてみたい。ちなみに、希海が唯一嫌い、というより苦手なのは希海のお父さんのギャグだそうだ。

「ねえ、優って人の病室じゃ無いみたいだよ?」
「話だけ聞いてみたらどう?」

恐る恐るノックすると、中から幼い少女が出てきた。

「きーくんは寝てるよ」
「き、きーくん?」

どうやら少女の名前は『武田 莉子』ちゃんと言うらしい。莉子ちゃんは、私達をみて、もう一度「きーくんは寝てるよ」と言った。

「莉子ちゃん、きーくんって?」
「きーくん、あーちゃん大好き!きーくん、そーたんも大好き!」

莉子ちゃんはそういってキャハハと笑った。

「莉子ちゃんはなんでここにいるの?」
「ゴホゴホしちゃうから。口から赤いの出てくる」
「‥小児ぜんそくのひどい版。吐血」

希海は医者になりたいみたいだから詳しい。

「あっち!」

どうやら向こうで話したいそうだ。
莉子ちゃんと私達は、こぢんまりとしたプレイルームに行くことにした