『LUCEはイタリア語で‘‘光”を意味して、ここら辺の地区を纏めてるチームの名前だ』
岳さんが教えてくれた言葉が頭の中をグルグルと回る。
『俺と樹里は格差的に考えるとトップの次にいるってわけ』
樹里と岳さんがここにいて。
2人はLUCEの上の人間で。
そんな2人を静かに見つめている一際威圧的な雰囲気を漂わせるあの銀色は。
背中に冷たい汗が流れた。
それが熱からきたのか、恐怖からなのか、それとも、別の何かからなのか、自分でもよくわからない。
私の視線に気づいた銀色が、その綺麗な瞳を細めて、口元に弧を描く。
それだけで妖艶な雰囲気を作り出す。
私はわかりたくなかった。知りたくなかった。
こんなことなら、出逢わなければ良かった。
「よお、久しぶりだな」
_______________真白。
私の名前を呼ぶその声に心の奥が揺さぶられる。
雪が降る夜の公園で出逢った最低で最悪の男。
綺麗な銀色を持ったこの男は、
LUCEのトップだった____________。