夢を見た。悲しい夢を。



『お母さーん』


ランドセルを抱えた自分が、学校から帰ったのか嬉しそうに一枚のプリントを手に、お母さんに駆け寄る。


『あのね、私、テストで100点取ったよ!」


満面の笑みで持っていたプリントをジャーン!という感じで見せる。


『そう』


褒めてくれるかな?ドキドキしながら返事を待つ。


でも、そんな期待はすぐに崩れ落ちた。



『真白、お母さんは忙しいの。話なら後にして』


『……ごめんなさい』



チラッとこちらを見ただけですぐにケータイを弄り出したお母さんから離れる。





『どうした?』



すると、私の後ろからスーツを着たお父さんが歩いてきて、お母さんと同じようにプリントを見せる。



『あ、お父さん!これ見てみて!』



お父さんは褒めてくれるよね?お願い、褒めて!


けど、そんな私の気持ちなんか気づくわけもなく。