銀色の彼




ビチャビチャという音が廊下に響く。


私が歩いてきた場所は濡れて、辿ったら私に辿り着けるという目印みたくなっている。


昨日から最悪なことばかりだ。


女達に教科書を盗まれ、叩かれ、

雨の中公園にいたのに銀色の男は来ないわ、熱が出るわ、

お母さんが家にいるし、厄介な金色に出会うし、

また女達に叩かれ、バケツの中の水をぶっかけられて。



負の連鎖が続きすぎて嫌になる。



「クシュンッ!」



くしゃみをし、ブルブルと震える体を抱きしめる。


熱出てるのに、水かけられるなんて最悪としかいいようがない。



クラクラと今にも倒れそうな体を気力で持ち堪える。



家にも帰れない。

頼れる人なんてどこにもいない。



「何が誰からも好かれてるだ……」



そんな風に恵まれていたことなんて一度もない。