銀色の彼




確かに樹里はLUCEの上の人間で特別なのかもしれない。


色んな目に晒される立場にある人間だ。


それは樹里がその道を選んだ時点で仕方ないことだ。


でも。



「樹里はものなんかじゃない」



あんた達のものでも、LUCEのものでも、私のものでもない。



「樹里は樹里のものだ」



決して私達に決められる存在なんかじゃない。



「…っ、知ったような口聞いてんじゃねえよ!」


「っ、」


髪を強く引っ張られる。ブチブチと嫌な音がした。



「あんたになんかわかるわけない!私達の気持ちなんか!」



いつも樹里君が一緒にいてくれるあんたには!



そう言って涙を浮かべる女をジッと見つめる。


そうなのかもしれない。

私にはあんた達の気持ちなんかわからないのかもしれない。

でも、それはあんた達だって同じじゃないのか。