銀色の彼




まさか通う高校がこんな荒れてたなんて知らなかった。



生徒達も思い思いの格好をしていて、自由すぎる。



ちゃんと指定の制服を着こなしてる自分がむしろ目立つ。



ていうか、今体育館から出てった奴いるんだけど。



自由すぎる学校。



でも、誰にも縛られることはない。



むしろ、ラッキーだったかも。




……てことで、私もサボろ。



ガタッと立ち上がって、ガヤガヤとうるさい生徒達の横を通り過ぎて外に出た。




クラスは入学式前に確認したし、このまま帰ろ。


先生達もみんな式に出てるみたいだし。






……なんて、思っていた矢先。



「あれ?新入生がここで何してんの?」


「……」


「僕と同じでサボりでしょ?」


「ああ、なるほどな」


「ねえ、名前何て言うの?」




体育館を出てすぐに面倒な輩に会ってしまった。



しかも、一人はさっき出て行った男だし。



「……」



ふいっと無視をして横を通り過ぎる。