銀色の彼




「ほら、やっぱり熱あるじゃんかよー」


「っ、離して」


思わず、その手を払いのける。


内心、冷たい手が熱いおでこを冷やして気持ち良かったのは絶対に言わない。



「保健室行った方がいいと思うけどー?」


「教科書、」


「ああ、また今度ねー。一応言っとくけど、俺真白ちゃんのクラスと隣だから」


「……わかった」


「ありゃ、素直だねえ」



確かに普段なら絶対に今日ここで教科書を返してもらう。

でも、今はしんどいしダルいし疲れた。

熱あるって聞いたからか尚更。



「俺さ、人に手貸してあげるとかそういうの興味ねえからさ、真白ちゃんのこと助けてあげたいとか思わないわけよー」


「知ってる」



その返事に一瞬驚いた蘭。


人のことよく見てて、鋭くて、見透かすのが上手い。

でも、面倒くさいことは嫌い。首を突っ込みたくない。

ヘラヘラと笑っている顔だって、本当に笑っているのかどうか。