銀色の彼




「え、」


「つい昨日ここらに捨てられてたの俺が拾っておいたのよ。いやー、俺、教科書買ってなかったからさあ」



助かっちゃったと笑う蘭。



「ちょっと見せて!」



立ち上がって、蘭から教科書を奪う。


ペラペラと捲ると蛍光ペンで重要項目に線を引いているページがある。


私のだ。ていうか、こんなことするのはこの学校で私だけしかいないだろう。



「これ、私のっ、」


「ふーん?まあ、綺麗に使ってるわりに捨てられてたってのは、LUCEに近づきたい女達にでもやられたって感じー?」



でしょ?と首を傾けて笑う蘭。


この人、結構鋭い。



「あの、拾ってくれてありがとう。それで、」


「返してほしいって?」



先に言われて一瞬動きが止まったけど、ゆっくり頷く。