銀色の彼




「何で名前?ってかー?真白ちゃん、一年の間では結構有名なのよ?LUCEの藤城が懐いてるって」


「藤城?」


「ああ、樹里だよ。藤城樹里」




どうやら樹里の苗字は藤城らしい。


初耳だ。それにそんな噂も初耳だ。



「ちなみに俺はLUCEでも何でもありませんよー。ただ、この学校好き勝手できるから来ただけだし」



ああ、まあいろいろ緩すぎてるしね。




「で、LUCEの藤城が懐いちゃうほどの真白ちゃんはここで何してんの?」


「その言葉そっくりそのまま返す」


「俺?俺はねー、たまたまここらでサボってたら、変な物音聞こえたから来てみただけ」


「ふーん」


「ね、真白ちゃんはここで何してんの?そんなくっさいゴミ袋漁ってさー」




鼻をつまんで臭い臭いと手をパタパタ揺らす蘭を睨みつけて、また手を動かす。



「教科書、」


「ん?」


「教科書探してるの」



だから、あんたには関係ないでしょ、と言おうとしたら、




「教科書ってもしかしてこれのこと?」



いつの間にか目の前に来ていた蘭が、ニコニコと教科書を持って揺らす。